外壁塗装に関連してラジカルという言葉がでてきます。
これはラジカル塗料という近年新しく生まれた最新の塗料を指しています。
ラジカルという言葉には紫外線などが塗料の配合成分とくっつくことで発生してしまう「劣化因子」の意味があり、このラジカルという名前を冠しているラジカル塗料はこの劣化因子の発生を抑制してくれる塗料となっています。
ラジカル塗料がラジカル因子を抑制できる秘密は「ラジカル制御型の酸化チタン」を使用していることにあります。
塗料の劣化現象であるチョーキング現象は塗料製造に欠かせない酸化チタンに紫外線が影響を与えるために生じる現象となっています。
そこでラジカル塗料は紫外線に強い耐性を持っているラジカル制御型酸化チタンを従来の酸化チタンの代わりに使うことでチョーキング現象を抑制することが可能となっています。
この記事では、そんな最新塗料であるラジカル塗料を使用することのメリットやデメリットについて解説します。
外壁塗装にラジカル塗料を使うメリット①～耐用年数の長さ～
ラジカル塗料を外壁塗装に使うメリットの一つが、耐用年数の長さにあります。
現在、外壁塗装の主流になっている塗料はシリコン塗料です。
このシリコン塗料の耐用年数は5年～10年とされています。
それに対し、ラジカル制御型の酸化チタンを使用することによって劣化現象に強くなったラジカル塗装の耐用年数は7年～15年と、シリコン塗料の最大1.5倍もの耐用年数となっています。
外壁塗装にラジカル塗料を使うメリット②～コスパの良さ～
ラジカル塗料は現在主流な外壁塗装の塗料であるシリコン塗料をはるかに越える耐用年数をもっていますが、その分、塗料の価格が高いのではと思う人もいるでしょう。
しかし安心してください。
ラジカル塗料を外壁塗装に使うメリットとしてはコスパの良さもあるのです。
シリコン塗料を使う場合の料金は1㎡あたり、約1,700円～3,500円ほどとなっています。
それに対し、ラジカル塗装を使う場合の料金は1㎡あたり、約2,300円～3,500円ほどとなっています。
耐用年数はシリコン塗料の最大1.5倍にもかかわらず、料金は最低料金こそ僅かに高いものの基本的にはほぼ同じレベルの費用しか必要とせず、ラジカル塗料は圧倒的コスパの良さとなっているのです。
外壁塗装にラジカル塗料を使うメリット③～綺麗さを長期間維持してくれる～
外壁塗装にラジカル塗料を使うメリットとして、綺麗さを長期間維持してくれるというのもあります。
綺麗さを詳しく説明すると、まず一つは光沢です。
外壁塗装をした直後は塗料の光沢によってピカピカ綺麗な状態となっていますが、そんな光沢は普通はすぐに失われてしまいます。
しかし、ラジカル塗料は違います。
ラジカル塗料は光沢を長期間維持してくれるから長い間塗料の光沢を楽しむことができます。
パーフェクトトップという現在販売されている主要なラジカル塗料の一つがあるのですが、このパーフェクトトップを販売している日本ペイントが行った耐候性試験によると2500時間経過してもラジカル塗料の光沢は80％という高いレベルを維持することが証明されています。
ラジカル塗料による綺麗さとして、優れた親水化技術が使われていることによる雨だれ汚染への強さや汚れの落ちやすさというのもあります。
主要なラジカル塗料は三種類ありますが、日本ペイントのパーフェクトトップは特に雨だれ汚染に強くなっています。
また、ラジカル塗料は防カビ、防藻効果もあるのですが、エスケー化研のエスケープレミアムシリコンはとくにその効果が高いラジカル塗料となっています。
外壁塗装にラジカル塗料を使うデメリット～濃色に塗装できない&取り扱っていない業者もある～
外壁塗装にラジカル塗料を使うデメリットとして、濃色に塗装できないというのもあります。
酸化チタンとはそもそもクリーム色などの淡色の塗料を製造するために使われる材料であり、ラジカル塗料の中核をなすラジカル制御型の酸化チタンも同じく淡色を製造するために使われます。
このため、濃色の塗料には残念ながら使うことはできず、ラジカル塗料を使って外壁塗装をする場合には淡色を選ぶことしかできないデメリットがあります。
また、ラジカル塗料を取り扱っていない業者があるというデメリットもあります。
ラジカル塗料は新技術であるために全国隅々まで広まっているわけではないので、ラジカル塗料による外壁塗装を行わない業者もあり、ラジカル塗料による外壁塗装をして欲しくてもしてももらえない場合があるのです。
外壁塗装とラジカル塗料のまとめ
ラジカル塗料とは、塗料の劣化現象であるチョーキング現象を抑制してくれる耐久性が従来の塗料よりも格段に優れた新しい塗料です。
現在主流な外壁塗装塗料でるシリコン塗料の耐用年数は最大10年程度ですが、ラジカル塗料は耐性年数が最大15年程度と1.5倍もの耐用年数となっています。
またコスパにも優れていて、シリコン塗料は1㎡あたり最大3,500円ほどの料金ですが、ラジカル塗料も1㎡あたり最大3,500円ほどと同レベルの費用しかかかりません。
他にもラジカル塗料は光沢が2500時間経過しても80％持続するなど様々なメリットがありますが、淡色にしか塗装できないというような僅かなデメリットもあります。
