外壁塗装と同時に屋根塗装や屋根のメンテナンスもしたいと思うことがあります。その際に家の屋根瓦の材質が何なのかが気になる人もいるでしょう。セメント瓦とコンクリート瓦の違いは特に見分けにくいので、どちらかわからずに悩むことがあります。この記事ではセメント瓦とコンクリート瓦の違いをわかりやすくまとめました。4つの観点からセメント瓦とコンクリート瓦の違いを説明するので、適切な対応を取れるようになりましょう。
セメント瓦とコンクリート瓦の成分の違い
セメント瓦とコンクリート瓦の違いは基本的には成分だけです。セメント瓦はセメントで製造されているのに対して、コンクリート瓦はコンクリートで作られています。セメントとコンクリートは見た目が似ているので同じものだと誤解されていることがあります。しかし、実際には素材としては異なっていて、用途に応じて使い分けられていることも少なくありません。瓦についてはどちらも使用可能なので、セメント瓦とコンクリート瓦の両方が安価な魅力のある瓦として流通しています。セメントとコンクリートの成分の違いは砂利です。セメントは石灰石などを焼成した後に粉砕した粉を原料として用います。コンクリートではセメントの粉にさらに砂利を加えてから製造するのが違いです。一般的にはコンクリートの方が強度が高くて丈夫になりますが、セメントの方が粘性が低くて加工しやすい性質があります。
メンテナンスにおける違い
メンテナンスについてはセメント瓦とコンクリート瓦で違いがほとんどありません。どちらも基本的には素材が似ていて、屋根瓦としての機能を維持するためにはメンテナンスが必要になります。焼成された石灰石がベースになっているため、水分に弱く、屋根塗装をきちんと定期的におこなっていないと雨漏りが起こりやすい傾向があります。また、衝撃には強くない性質があり、割れやすさでもセメント瓦とコンクリート瓦で違いはあまりありません。割れた瓦は交換によって対応していくのが基本ですが、もし既製品がなくなってしまっていて代替ができかったら屋根全体を葺き替える必要があります。メンテナンスについてセメント瓦とコンクリート瓦の数少ない違いは、屋根塗装のときの施工方法です。コンクリート瓦ではスラリー層を作成する前処理が必要になります。この処理をしないと塗料が定着しにくくて、仕上がりが悪くなったり、屋根塗装の寿命が短くなったりするので注意が必要です。
色や見た目の違い
色や見た目についてはセメント瓦とコンクリート瓦に若干の違いがあります。色については人気があった時期にはどちらもバリエーション豊かでした。昔はセメント瓦とコンクリート瓦も色はどちらも豊富という定評がありました。しかし、現在ではメーカー次第になってきていて、セメント瓦とコンクリート瓦の色のバリエーションは同じくらいの程度で減ってきている傾向があります。セメント瓦とコンクリート瓦の違いはほとんどないという意味では今でも同じです。一方、セメント瓦に比べるとコンクリート瓦は見た目でざらつきがあることが見て取れます。特に小口の部分を見ると凹凸している様子が明らかにわかるのがコンクリート瓦の特徴です。表面はきちんと下地処理をして塗装してあればそれほど大きな違いが見られませんが、小口部分を見ると遠目でもはっきりと凹凸感に違いがあります。
セメント瓦とコンクリート瓦の外壁塗装・屋根塗装の違い
セメント瓦とコンクリート瓦の違いとして外壁塗装と屋根塗装を同時におこなうときに塗料選びとスケジュールが挙げられます。セメント瓦とコンクリート瓦ではコンクリート瓦の方が塗料の制限が多く、作業工程としても時間が長くなりやすいのが特徴です。コンクリート瓦の場合にはスラリー層をきちんと作り上げる必要があるため、高圧洗浄でしっかりと洗浄しなければなりません。セメント瓦とコンクリート瓦はどちらも濡れに弱いですが、コンクリート瓦の場合には高圧洗浄を徹底しておこなうので乾燥に時間がかかるのが一般的です。また、スラリー強化プライマーを使用して丁寧に下塗りをしなければならず、外壁と屋根で同じ塗料を使用できない場合があります。外壁と屋根の両方に同じ塗料を使用してコストダウンを図ることが難しいのがコンクリート瓦です。
外壁塗装で知っておきたいセメント瓦とコンクリート瓦の違いのまとめ
外壁塗装と屋根塗装を同時に施工してもらうと費用が安くなり、工期も短くて済むのが一般的です。ただ、外壁と屋根の素材の関係によっては、費用や工期のメリットが半減することがあります。特にセメント瓦とコンクリート瓦の違いによって、使用できる塗料の制限が生まれたり、作業工程が長くなったりすることはよくあるので注意しましょう。セメント瓦とコンクリート瓦の違いは成分的には砂利の有無だけです。しかし、塗装をする上ではセメントとコンクリートでは大きな違いがあります。外壁塗装のときだけでなく、屋根塗装だけを発注したいときにも、セメント瓦とコンクリート瓦の違いに注意することが必要です。新たに葺き替えるときにもコンクリート瓦の問題点を考慮して、セメント瓦を優先して考えた方が良いでしょう。
